Wiki に対して疑問を抱いていたり、理由も分からず使えないで困っているならば、Wiki(ウィキ)が何をする為のツールであるのか、その背景を知ることで Wiki を理解することができるかも知れません。
このページでは Wiki について背景の説明をしています。
HTML
Wiki について知る上で、HTML を避けて通る事はできません。
HTML は HyperText Markup Language(ハイパーテキスト・マークアップ・ランゲージ) の頭文字からなる略称であり、今見ているこのウェブページも HTML によりマークアップされた文書です。
歴史的な背景も簡単に説明すると、紙媒体で扱われていたマニュアルが膨大になることで、量が多いことや修正をしたりする手間がかかることで、その管理が問題になりました。
その問題を解決する手段といて電子化が検討され、電子化する上で、特定のソフトウェアに依存せずに利用する為に SGML という規格が誕生しました。SGML は Standard Generalized Markup Language(スタンダード・ジェネラライズド・マークアップ・ランゲージ) の頭文字からなる略称であり、テキストだけからなるプレーンテキストデータをタグ付けすることで、テキストに意味を持たせるようにしたものです。
HTML はインターネットでの利用を目的に提案されたもので、SGML と同じようにタグ付けによりテキストに意味を持たせることができます。人間が文書を読むときには、無意識に題や見出しを理解していますが、コンピューターで扱う上ではタグによって明示的に示さなければなりません。
具体的な例を挙げると、見出しを表す HTML のタグは次のように書きます:
<h1>Wikiとは何か</h1>
h1 が要素であり、タグは < と > の記号で囲まれ、終わりのタグには 要素の前に / が付けられています。
h1 の要素の数字は見出しの大小に関係しており、h2,h3,h4,h5,h6 と六つまで大小の見出しがあります。
WIki ではこのタグ付けを簡略化した書式で次のように書きます:
= Wikiとは何か =
しかし、Wiki にも種類があり、この表記が他の Wiki システムで同様に利用できるとは限りません。
また、HTML の要素をすべて扱えない場合もあり、今目にしているこの Wiki では、見出しが5段階までしか利用できません。
= 見出し1は h1 です = == 見出し2は h2 です == === 見出し3は h3 です === ==== 見出し4は h4 です ==== ===== 見出し5は h5 です =====
この Wiki ではなるべくタグ付けの手間を無くす目的もあることから、ページ名が h1 として扱われます。ですから、実際にページを作成する際「== 見出し2は h2 です ==」から見出しを付け始めます。
HTML と Wiki のどちらの表記も、文書の要素に対してタグ付けすることなので本質的に行っている事は同じです。文書を作成した後に、文書の要素に合わせて「見出し」「リスト」「表」などシンタックスリファレンスを参考にして付けることになります。
慣れてくると文書を作成しながらタグ付けをする方が楽になるかもしれませんが、それまでは、先に文書を作ってからタグ付けをした方が迷いも少ないでしょう。
ハイパーリンク
HTML の HT は HyperText(ハイパーテキスト) のことですが、これは文書をリンクで繋ぐハイパーリンク機能を有している事を意味します。
HTML のタグでは、リンクするテキストをアンカー(錨)を表す a 要素でマークアップし、その a 要素の属性として href によりリンク先を示します。
具体的な例を挙げると、HTML でのリンクは次のように書きます:
<a href="https://wiki.ubuntulinux.jp/WhatIsWiki">Wikiとは何か</a>
Wiki では簡略化した書き方で次のように書きます:
[https://wiki.ubuntulinux.jp/WhatIsWiki Wikiとは何か]
実際のリンク:
リンク先はインターネット上での文書の所在を表す URL によって示します。一般的には HTML 文書のファイルそのものを示すことがありますが、ウェブサイトのシステムによっては動的に生成される文書もあることから、ファイル名ではなく文字や記号の羅列で示している場合もあります。
Wiki の場合は後者となり、ページ名を URL として扱うので、ページ名を変更してしまうとリンクが切れてしまいます。ですから、ページ名を決める際は、将来的に変更しないで済むように、文書の内容を簡潔に表したページ名を付けることが望ましいです。
CSS
通常 Wiki を利用する上では CSS を編集する必要はありませんが、文書の構造と表現を分けて考える上で、知っておく必要があります。
CSS は Cascading Style Sheets(カスケーディング・スタイル・シート)の頭文字からなる略称であり、HTML と共に利用される規格の一つです。
HTML が文書の要素をマークアップするのに対して、CSS は表現を指定する為に利用します。これにより文書のテキストが持つ意味と、それを表現する体裁を分けて扱うことができるようになり、別々に管理することができます。
今見ているこのウェブページも CSS により表現された文書です。HTML 文書内で CSS を読み込むように設定されており、次の CSS ファイルを参照しています:
https://wiki.ubuntulinux.jp/wiki/ubuntu-jp/css/common.css
例えば h1 の要素に対する表現は次のように書かれています:
h1 { margin: 0; padding: 0; color: #6d4c07; /* ubuntu dark brown */ font-size: 2em; font-weight: bold; line-height: 1.2em; border-bottom: 3px solid #6d4c07; /* ubuntu dark brown */ }
設定内容の細かい説明は割愛しますが「font-size: 2em」は文字の大きさを指定しています。「em」は 一文字分の長さを表す単位であり、「2em」は基本となるテキスト文字の二つ分の長さであることを意味します。
他の要素もそれぞれ次のように書かれています:
h2 {font-size: 1.6em;} h3 {font-size: 1.3em;} h4 {font-size: 1.1em;} h5, h6 {font-size: 1em;}
この CSS を全ての HTML 文書が参照することで、CSS の記述を一つ変えるだけで全ての文書の表現を変更することができるようになり、管理が容易になります。
情報の共有
Wiki は、基本的に情報を共有する為の道具です。一般的にウェブページを作る上では、視覚表現にこだわりがちですが、Wiki の場合は文書の内容に焦点を定めて作成・編集することが基本的な使い方になります。
- 情報を一つのページに纏める。
- リンクによって繋げる。
- 古い情報を編集して新しい情報に書き換える。
基本的な利用方法はこれだけです。
この他、具体的に迷うことや疑問点は、# Japanese Wiki & フォーラムで既に話題が挙がっているかも知れません。もしそれでも解決できない疑問があるならば、何をしたいのかを説明した上で質問したり、どうしていいか迷う部分を話して相談することにしています。
もちろんこの文書もそんな情報の一つです。Wikiの敷居は高い?という疑問からこのページを作ることにしました。そしてUbuntu Japanese Wikiからリンクによって繋げているのです。
これを読むあなたに疑問があるならば、そこから始めてみてください。