対象とするUbuntuのバージョン
- 10.04 Lucid Lynx
- 10.10 Maverick Meerkat
- 11.04 Natty Narwhal
本文書は、 https://help.ubuntu.com/community/WifiDocs/Driver/bcm43xx を和訳、改変したものです。併せて原文も参照下さい。
この文書の目的は、Broadcom社製の無線LANチップ、 BCM43xx 系チップのドライバを導入し、無線LAN動作が可能な状態にする手順を解説することです。 プロプライエタリドライバ は、 システム > システム管理 > ハードウェアドライバ から導入しますが、これにはインターネットへの接続を使用します。
Broadcom BCM43xx チップセット (PCI)
カード/ドライバの確認
端末を開き、 lspci を実行することで、全てのPCIバスに接続されたデバイスの情報を出力することができます。Broadcom製のデバイスだけを出力するには、後述のように文字列、14e4でフィルタすればよいでしょう。
Step 1.
アプリケーション > アクセサリ > 端末 とたどり、端末を開き、下記のコマンドを実行します。
~$ lspci -vvnn | grep 14e4
下記は実行例です。
03:00.0 Network controller [0280]: Broadcom Corporation BCM4322 802.11a/b/g/n Wireless LAN Controller [14e4:432b] (rev 01)
この出力より、
カード/モデルが BCM4322 であること、
PCI-IDが [14e4:432b] であること、
が判ります。
サポートされるデバイス
ドライバ - カード/モデル
STA - BCM4311, BCM4312, BCM4313, BCM4321, BCM4322, BCM43224, BCM43225, BCM43227, BCM43228
b43 - BCM4301 BCM4306/2, BCM4306/3, BCM4311, BCM4312, BCM4318, BCM4320
Note: 全てのPCI-ID、および/あるいは、全てのモードがサポートされるわけではありません。このページの下部のリンクを参照し、詳細な情報を確認して下さい。
サポートされないデバイス
もし、 STA ドライバや、 b43 ドライバでサポートされないデバイス、モードがあれば、ndiswrapperを試してみて下さい。ndiswrapperによりWindows用のドライバを流用できるかも知れません。
STAドライバのインストール
10.04 (Lucid Lynx), 10.10 (Maverick Meerkat) 11.04 (Natty Narwhal)
サポートされるモデル:
BCM4311, BCM4312, BCM4313, BCM4321, BCM4322, BCM43224, BCM43225, **BCM43227, **BCM43228
STA (インターネット接続有りの場合)
Step 1.
ソフトウェアセンタ や パッケージマネージャ を使用して、STAドライバ、ファームウェアをインストールして下さい。パッケージマネージャでは、 bcmwl-kernel-source を検索してインストール、端末からインストールする場合は、下記のコマンドを実行して下さい。
~$ sudo apt-get update ~$ sudo apt-get upgrade ~$ sudo apt-get install bcmwl-kernel-source
Step 2.
システム > システム管理 > ハードウェアドライバ から STA ドライバを有効に設定して下さい。
Note: その後、システム再起動が必要になるかも知れません。
LiveCD/LiveUSB
Step 3.
LiveCD/LiveUSBでの一時的な使用の場合、システム再起動の代わりに、下記を実行しても構いません。
~$ sudo modprobe -r b43 ssb wl ~$ sudo modprobe wl
Note: 実際に接続しようとする前に、ネットワークマネージャが利用可能なネットワークをスキャンするため、数秒時間を置いて下さい。
STA (インターネット接続無しの場合)
もし、他にインターネットに接続する手段が全く無い場合、 bcmwl-kernel-source パッケージを、Ubuntuのインストールメディアの、 ../pool/restricted/b/bcmwl ディレクトリから取り出してインストールして下さい。
Note: CD-ROMからインストールしたシステムの場合は、インストールCDをPCに挿入して、 bcmwl-kernel-source をインストールすることもできます。
Note: 下記の例は、USBメモリからインストールしたUbuntu 10.04 LTS版を想定しています。異なる環境では、依存関係を満たすために追加するパッケージが、多少、増減するかも知れません。
Note: dpkg のフロントエンドプログラムは、必要とされる他のパッケージを自動的に判断して調整します。フロントエンドプログラムを起動するためには、ファイルマネージャを開き、インストールするパッケージをダブルクリックして下さい。
Step 1.
インストールメディアを開き、下記のパッケージをダブルクリックでインストールして下さい。もしくは、端末から下記のコマンドでインストールして下さい。
../pool/main/d/dkms
:/dkms/$ sudo dpkg -i dkms*
../pool/main/p/patch
:/patch/$ sudo dpkg -i patch*
../pool/main/f/fakeroot
:/fakeroot/$ sudo dpkg -i fakeroot*
../pool/restricted/b/bcmwl
:/bcmwl/$ sudo dpkg -i bcmwl-kernel-source*
Step 2.
メニューから システム > システム管理 > ハードウェアドライバ を開き、 STA ドライバを有効化して下さい。
Note: システムの再起動が必要になるかも知れません。
LiveCD/LiveUSB
Note: インストールメディアの内容は、 /cdrom にマウントされています。
Step 3.
LiveCD/LiveUSBでの一時的な使用の場合、システム再起動の代わりに、下記を実行しても構いません。
~$ sudo modprobe -r b43 ssb wl ~$ sudo modprobe wl
Note: 実際に接続しようとする前に、ネットワークマネージャが利用可能なネットワークをスキャンするため、数秒時間を置いて下さい。
b43ドライバのインストール
10.04 (Lucid Lynx), 10.10 (Maverick Meerkat)
Note: Ubuntu 11.04 (Natty Narwhal) では、 firmware-b43-installer のインストール時に、b43ドライバのダウンロード、インストールが実行されます。
サポートされるデバイス
カード/モデル
BCM4301 BCM4306/2, BCM4306/3, BCM4311, BCM4312, BCM4318, BCM4320
Ubuntu 8.04.x (Hardy Heron) 以降のカーネルには、b43が付属していますが、著作権の制限のためデバイスの駆動に必要となるプロプライエタリなファームウェアは付属していません。
Note: PCI devices/ID や使用可能なモード、サポート状況などについては、 ここ を参照下さい。
下記の例では、必要なファームウェアの入手手順を説明します。
b43 (インターネット接続有りの場合)
何か別の手段でインターネットに接続できるのであれば、 b43-fwcutter パッケージをインストールするだけで自動的にファームウェアがダウンロードされ、セットアップされます。
Step 1.
b43-fwcutter パッケージをインストールするには、 端末 で下記のコマンドを実行して下さい。
~$ sudo apt-get install b43-fwcutter
Ubuntu 11.04 (Natty Narwhal) では、さらに、 firmware-b43-installer パッケージのインストールが役立つ、あるいは、必要になるため、下記を実行して下さい。
~$ sudo apt-get install b43-fwcutter firmware-b43-installer
Step 2.
システム > システム管理 > ハードウェアドライバ から b43 ドライバを有効化して下さい。
Note: その後、システム再起動が必要になるかも知れません。
LiveCD/LiveUSB
Step 3.
LiveCD/LiveUSBでの一時的な使用の場合、システム再起動の代わりに、下記を実行しても構いません。
~$ sudo modprobe -r b43 ssb ~$ sudo modprobe b43
Note: 実際に接続しようとする前に、ネットワークマネージャが利用可能なネットワークをスキャンするため、数秒時間を置いて下さい。
b43 (インターネット接続無しの場合)
もし、他にインターネットに接続する手段が全く無い場合、 b43-fwcutter パッケージと patch パッケージをインストールメディアから導入して下さい。その後、ファームウェアのセットアップを手動で行って下さい。
Setp 1.
b43-fwcutter はUbuntuインストールメディアの ../pool/main/b/b43-fwcutter/ に、 patch は ../pool/main/p/patch/ にあります。 あるいは オンラインの公式レポジトリから入手して下さい。
パッケージをダブルクリックしてインストールするか、 あるいは 端末 でパッケージの存在するディレクトリに移動し、下記のコマンドを実行して下さい。
:/b43-fwcutter/$ sudo dpkg -i b43-fwcutter*
Step 2.
インターネットに接続できるコンピュータを使い、 http://downloads.openwrt.org/sources/wl_apsta-3.130.20.0.o と http://mirror2.openwrt.org/sources/broadcom-wl-4.150.10.5.tar.bz2 をダウンロードして下さい。
Step 3.
ダウンロードしたファイルを、Ubuntuのホームフォルダにコピーし、下記のコマンドを実行してファームウェアの抽出とインストールをして下さい。
~$ tar xfvj broadcom-wl-4.150.10.5.tar.bz2 ~$ sudo b43-fwcutter -w /lib/firmware wl_apsta-3.130.20.0.o ~$ sudo b43-fwcutter --unsupported -w /lib/firmware broadcom-wl-4.150.10.5/driver/wl_apsta_mimo.o
Step 4.
システム > システム管理 > ハードウェアドライバ を開き、 b43 ドライバを有効化して下さい。
Note: その後、システムの再起動が必要になるかも知れません。
LiveCD/LiveUSB
Note: インストールメディアの内容は、 /cdrom にマウントされています。
Step 5.
LiveCD/LiveUSBでの一時的な使用の場合、システム再起動の代わりに、下記を実行しても構いません。
~$ sudo modprobe -r b43 ssb ~$ sudo modprobe b43
Note: 実際に接続しようとする前に、ネットワークマネージャが利用可能なネットワークをスキャンするため、数秒時間を置いて下さい。